1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610058
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菊池 正 筑波大学, 心理学系, 教授 (80161420)
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Keywords | 視覚情報処理 / 注意の分析 |
Research Abstract |
初年度の研究目的「ある刺激属性に選択的に注意を向けた場合のその属性を持つ対象とその属性を持たない対象に対する注意の空間的分布の測定」の実験的研究を行った。8x8の格子の中に赤と緑の文字をランダムに配置したターゲット刺激を短時間提示した後にプローブを提示する手続により、被験者に文字の検出課題を行わせた。被験者は一方の色の文字に注意するように教示された。各プローブ位置における文字の正答率と反応時間の測定結果から、1)教示条件でより成績が高く、顕著な選択的注意の効果が認められること、2)非教示の文字数の増加につれて教示条件の成績は低下し、非教示文字を完全に抑制できないこと、3)成績はターゲット刺激の中央部で高く周辺部で低下する山型の空間分布をなし、注意には空間的制約があること、4)非教示条件よりも教示条件の空間分布が高く、注意の空間分布が刺激属性に対する選択的注意と空間的注意の両者の影響を受けていること、が分かった。 また、研究目的「異なる視野での注意の空間的分布の測定」の予備的実験を行った。この実験では、広い視野をある要素(例えば、T)で埋めつくし背景領域の中に挿入された他の要素(例えば、L)を検出するテクスチャー分離課題が与えられた。要素TとLからなるテクスチャーの分離には注意が必要であることが明らかになり、この方法を利用することにより広い視野での注意の空間的分布を測定できる可能性が示された。
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