1994 Fiscal Year Annual Research Report
カテゴリー化におけるプロトタイプの抽出と事例情報の保持
Project/Area Number |
06610077
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
箱田 裕司 九州大学, 文学部, 教授 (50117214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
改田 明子 二松学舎大学, 文学部, 講師 (80192532)
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Keywords | カテゴリー化 / プロトタイプ / 事例情報 / 顔 / 相貌特徴 / 印象評定 / 再認確信度 / 蝶図形 |
Research Abstract |
カテゴリー化における事例情報の保持とプロトタイプ形成との関係について,刺激の種類,刺激事例数,反応までの遅延時間,刺激が呈示される文脈を変化させることによって検討することが本研究の目的であった.平成6年度は,刺激呈示,被験者の反応記録・解析のためにパーソナルコンピュータ(PC9821CS2)を中心としたシステムを構築し,幾何図形として蝶を自然図形として顔写真を用いて予備的調査ならびに実験を行った. 蝶図形を用いた再認記憶実験によって,刺激事例を構成する特徴の学習期における出現頻度が多ければ多いほど「見た」という再認確信度は高くなる.また,学習期における出現頻度が低い特徴を有する刺激事例ほど再認確信度は低くなり「見ていない」という判断を行うという結果を得た.この結果は事例モデル対プロトタイプモデルの対立を,事例を構成する特徴の出現頻度という視点から再解釈できる可能性を示唆している. 一方,顔写真については,様々なソースから顔写真230枚を収集し,これを用いて相貌特徴についての評定,印象評定を行い,次のような結果を得た.相貌特徴は3つの成分(顔の丸さ,顔の部分の明瞭さ,特徴配置の収縮と拡大)から成っていること,顔の印象評定は次の3つの成分(活動性,個人的親しみやすさ,社会的望ましさ)から成っていることが明らかになった.さらに,各顔写真についてその顔にありがちな職業カテゴリーについて調査を行った.これをもとに,想起される職業カテゴリーと相貌特徴,印象評定の関係について分析を行い,来年度予定している顔写真の事例情報の保持と職業プロトタイプの抽出との関係に関する研究のための基礎的資料を収集した.
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Research Products
(1 results)