1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610136
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 晶夫 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (80162999)
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Keywords | 感情 / 尺度化 / 擬態語 / 擬声語 / 語感 / 表情 / 文字顔 |
Research Abstract |
感情の研究は、心身の両面からアプローチが考えられる。「わくわく」「はらはら」などという擬態語・擬声語によって、精神と行動との両側面の状況や現在感じている実感・意識性を捉えることができると考えられる。 この基礎となる「ことば」の語感、すなわち、50音の「かさたなはまやらがざだばぱ」の各行の語感を検討した。清音では、か行とた行、さ行とは行、な行とま行、は行とや行、ま行とや行の語感が類似している印象であった。濁音同志の比較では、差がみられなかったが、清音と濁音では全く異なった印象であった。濁音は行としての印象より、「濁音である」ことが優先的に作用していたと考えられる。また、濁音の評価に有声音という発声方法が関係していることが推測される。どのような音の組み合わせによるかによって、感じ方に影響があることがわかり、音が繰り返される擬態語・擬声語をこれらの視点から分析する必要があると考えられる。擬態語・擬声語のデータについては現在解析中である。 また、感情の伝達方法として表情の有効性があり、記号(keyboardによる入力)による表情表出の尺度化も試みた。100種類以上の顔を作成し、評価させ、分類した。結果は、(1)(^。^)(^_^))^0^((^J^)〈^!^〉(*^_^*)(^<^)、(2)(-_-;)(~_~)(-.-)(=_=)、(3)(°-°)(・。・)(・0・)(・_・)、(4)(@_@)(*_*)($_$;)、(5)(^_-)(;_;)(;_:)、(6)(^_^;)(^^;)(^レ^;)(^=^;)、(7)(>_<)(~0~)(T_T)(+_+)(T_T)(?_?)などのグループに分類され、目、鼻、口などの特徴によって伝達できる感情状態を分類することが可能なことが示唆された。また、(^_^;)のように、「;」の意味をどのように受け取るかも意味的なまとまりがあることが予想される。コンピュータ通信が普及してきた今日、単なる文字情報だけでなく、多少の臨場感をもってそこに感情を付与することができるようになることが期待される。
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