1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610143
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Research Institution | Osaka Aoyama Junior College |
Principal Investigator |
山崎 勝之 大阪青山短期大学, 幼児教育科, 助教授 (50191250)
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Keywords | 日常ストレス / ストレス易感性性格 / 乳幼児 |
Research Abstract |
本年度の研究においては乳児(0〜2歳)と幼児(3〜6歳)ごとに、保育園(所)ならびに幼稚園での日常生活において子どもたちが経験するストレスの内容を広く整理・記述した。 まず乳児については、45名の乳児を担当している保母から、担当の子どもたちが経験している保育所での日常ストレスを自由記述してもらい、その記述内容を3名の研究者によって年齢ごとに分類整理した。記述された日常ストレス内容は、身体感覚(一次的、二次的、生理的欲求)、対人関係(対子ども、対保母、対親)、基本的生活習慣(食事関係、その他)、対物関係、場面・場所、社会的きまり・行事に年齢ごとに分類され、その結果、0歳児においては身体感覚に関わるストレスが優位で、年齢とともに対人関係へのストレスが増して行く状況が具体的なストレス内容とともに明らかにされた。次に幼児については、幼稚園にて実習を経験している137名の学生に自由記述により幼稚園での子どもの日常ストレスを列挙してもらい、その記述内容を乳児と類似した項目内容で整理して最終的に128項目のストレス経験を抽出し、さらにその経験に5件法で回答するアンケートを完成した。そのアンケートに168名の幼稚園教員に回答いただき、男女ごと、年齢ごとに集計し、分析を行った。その結果、男児は全般的に女児よりも対人関係が未熟で、基本的な対人関係の問題でストレスを受けるのに対して、女児はより高度は社会場面でのストレスが目立った。また年齢では、年少児はまだ生活習慣にかかわるストレスが目立つが、年長になるに従い社会・対人関係のストレスが増す現象が確認された。 本年度の研究における乳幼児の日常ストレスの整理と記述は、このようなストレスを多く経験する子どもの性格(ストレス易感性性格)や親の養育態度を明らかにする研究の基盤となる貴重な資料と判断される。
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