1995 Fiscal Year Annual Research Report
新しい人格テスト「NEO 改定版」の日本版作成に関する研究
Project/Area Number |
06610148
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Jerontology |
Principal Investigator |
下仲 順子 (財)東京都老人総合研究所, 心理学部門, 研究室長 (70073004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 恭之 (財)東京都老人総合研究所, 心理学部門, 助手 (40250196)
石原 治 (財)東京都老人総合研究所, 心理学部門, 研究員 (30250195)
中里 克治 (財)東京都老人総合研究所, 心理学部門, 研究員 (50110028)
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Keywords | 人格 / 人格インベントリ- / 老年期 / 神経症傾向 / 外向性 |
Research Abstract |
本研究は青年期から老年期に至る幅広い年齢層を対象として人格を測定する新しい人格テストNEO-PIRの日本版を作成することを目的として平成6年度より予備テストを繰り返し検討し、作成した日本版240項目を66〜85歳の男女277名と大学生300名に対して実施した。平成7年度は平成6年度の調査でえられたデータを整理し、NEO-PIRの項目分析、信頼性、妥当性の検討を行った。 1.信頼性の検討はCronbachのα係数から求めた。老人と学生を加えた全体ではN全体(神経症傾向)=0.93,E(外向性)=0.89,O(開放性)=0.89,A(調和性)=0.87,C(誠実性)=0.90,となり5領域すべてにおいて高いα係数が得られ、各領域ともにテストとしての高い内的整合性が得られた。 2.因子分析法による5因子モデルからみた尺度の構成概念妥当性では、老人群では学生群より外向性と調和性領域でばらつきがみられたが、両群を合計して分析した場合、全領域でまとまりがみられた。 3.Costaらの標準データの因子構造と比較した場合、非常に高い一致が示された。 4.Y-G人格検査に基づいた基準関連妥当性の検討では日本版NEO-PIRは神経症傾向、外向性の基本的次元の高い妥当性がみられた。また誠実性の領域が学生、老人群と共に一般的活動性と中程度の相関を示しており、誠実性の次元で測定されるものに加えて異なった人格特徴を測定していることが示唆された。 5.項目得点比較による妥当性の検討では、Costaらの標準データと同じ傾向が示された。 6.NEO-PIRの60項目からなる短縮版(NEO-FFI)の信頼性と妥当性の分析を行い、短縮版としても用いられることが示唆された。以上の分析から日本版NEO-PIRは信頼性、妥当性の検討から、日本人に使用可能な人格スケールであることが実証された。
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