1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610162
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝部 明男 金沢大学, 文学部, 助教授 (90127142)
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Keywords | フリーマーケット / 露店市場 / 富山市 / リサイクル |
Research Abstract |
富山市のフリーマーケット「青空蚤の市」の調査を行った。このフリーマーケットでは、'92〜'93年以降に出店数が急増した。伝統的なタイプの露点市場では衰退しつつあるところが多いが、フリーマーケット型の露点市場の中には、成長するタイプもあるということの一例である。 「青空蚤の市」の主要な特徴は以下の通りである。 1.出店者を「プロ」「セミプロ」「アマチュア」にわけると、「アマチュア」の出店数は全体の35%である。伝統的な定期市タイプに比べると、このフリーマーケットでは「アマチュア」出店者の割合が相当に高い。流動的で、若年層の多い「アマチュア」出店者の参加が活発であり、また事務局も彼らの受入れに積極的である。 2.ある日の計測によると、一店当りの入場者数は46人で、伝統的定期市に比れば少ない。「アマチュア」出店者の品目の主要なものは、「不用品」である。「プロ」「セミプロ」の販売品目には「古道具」が多い。客は、生活必需品を買いにくるのではなく、「掘り出し物」を探す楽しみにひかれてやってくるようである。この点で、一般商店やスーパーとの競合を回避することに成功している。入場者数のピークが開場後1〜2時間のところにきているのは、「掘り出し物」を求めるために、早目に客がくるからであろう。 このフリーマーケットの運営には、行政当局はまったく関与していない。出店者たちの運営への参加度も低い。四人のメンバーによる実行委員会方式という特徴ある形態である。運営の沿革を調べると、実行委員会がほとんどすべての権限と責任を負うという方式で一貫している。伝統やその他のしがらみにしばられない自由な運営が可能であったことも、このフリーマーケットの今日の盛況の一因であろうと考えられる。
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