1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610162
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝部 明男 金沢大学, 文学部, 助教授 (90127142)
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Keywords | 露店市場 / 定期市 / フリーマーケット |
Research Abstract |
1 富山市「青空蚤の市」、高岡市「古城公園フリーマーケット」については前年度に引き続き継続的な観察・調査を行った。新たに「輪島の朝市」の聞取り調査を行った。 2 富山市「青空蚤の市」、及び「輪島の朝市」の調査から、繁栄する露店市場と衰退する露店市場の差は、第一に、独自性のある販売品をもっているかどうかによって生じている、という見通しをえた。 富山市「青空蚤の市」の場合は、家庭の不用品と「骨董品」を組み合わせて、スーパーやデパートでは買えないような「掘り出し物」という商品を育ててきた。「輪島の朝市」の場合は、売っているもの自体はとくに独自なものではないが、「輪島の朝市」で買ったおみやげ、つまり「輪島の朝市」ブランドという付加価値をもつ販売品を確立している。(これら二つは繁栄している露店市場) それに対して、スーパーなどとの競合に負けないような独自の強味をもつ商品が欠けている露店市場は、緩やかな衰退に向かわざるをえないように思われる。(伝統的な定期市など) 3露店市場の繁栄・衰退を左右する要因を以下のよう図式化してみたい。 (1)立地・施設-開催の場所、駐車場など (2)商品の独自性-他の流通形態と競争力ある販売品 経済外的魅力-客にとっての「なじみ関係」、(フリーマーケットの場合)しろうと出店者がものを売る側に一時的にまわるという楽しみなど (4)企画・運営の方式-外的環境の変化に適応しうる方式であるかどうか。行政による管理、出店者の自治制、出店者から独立した事務局制など このような図式を測定可能な変数にむすびつけることを今後の課題としたい。
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