1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610162
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
溝部 明男 金沢大学, 文学部, 助教授 (90127142)
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Keywords | 露店市場 / 朝市 / 輪島 / なじみ関係 / 階層 |
Research Abstract |
1 輪島市おいて「地域生活とネットワークに関する意識調査」と題する質問紙を用いた面接調査を行った(以下、輪島調査と略称する)。約28項目を朝市に関する質問にあてた。この輪島調査は、金沢大学文学部人間学科社会学コースの社会調査実習の一環として実施された。 2 輪島調査の概要は以下の通りである。(1)調査対象 輪島市居住の20歳から64歳までの男女 (2)調査方法 質問紙による戸別訪問面接調査 (3)標本抽出 選挙人名簿による確率比例抽出法 (4)標本数 300(15地点、1地点20標本) (5)回収率 69.3%(有効回答208) (6)実査期間 1996年9月23日〜9月29日 3 輪島調査データの分析はまだ完了していないが、概要を以下に記す。 (1)朝市において買物する頻度を7段階刻みで答えてもらい、それに点数を与えて朝市の「常連度」とした。「常連度」を被説明変数とし、「経済外的魅力」「商品の魅力」「階層」「スーパーとの競合」「行動範囲」などを説明変数とする、回帰分析を行なって、いくつかの仮説をテストしてみた。 (2)「常連度」の規定要因としてもっとも強いものは、出店者との「なじみ関係」である。「値段の安さ」も有意要因ではあるが、「なじみ関係」「朝市通りの雰囲気」などの「経済学的魅力」の規定力が強いことが裏付けられた。 (3)「常連度」のもう一つの規定要因は、「階層」である。個人年収、学歴、職業威信のどれもが、「常連度」と有意な負の相関を示した。 (4)朝市がスーパーと競合しているという仮説は、支持されなかった。
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