1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610164
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村山 研一 信州大学, 人文学部, 教授 (80115378)
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Keywords | 地域産業 / 地場産業 / 地域社会 / 産業再構築 / 地域開発 |
Research Abstract |
本年度は、地方レベルにおける工業空洞化の実態と地域レベルにおける空洞化への対応および地域産業の再構築の実態を究明するために、次の3つの方向から調査を実施した。 第一に、日本の産業構造の変化と地域間関係についてのマクロな視点よりのデータ分析。これについては産業構造と就業構造についての統計的資料を収集し、さらに地方に対するこれまでの産業政策に関する資料を収集することができた。これから来年度にかけて、データの分析を行なう予定である。 第二に、地方都市における地域産業の変化と再構築についての実態調査。本年度は、飯田、駒ヶ根、丸子、米沢について調査を行なうことができた。いずれの地域も、円高とボーダーレス化、そのことによって引き起こされる工業空洞化によって、地域の産業構造そのものが大きく変りつつある。製造工程そのものの高度化によってはもはや対応は難しく、地方産業レベルでも市場の創造・開発が急務となっている。なお、労働集約的な地場産業における工業再構築の事例として、飯田の水引業についてこれまでの調査結果をまとめた。 第三に、農村および山村における農林業経営の実態と地域開発の現状についての実態調査。本年度は、豊科町の重柳集落、開田村、南木曾町について調査を行なった。本来の主産業であった農林業についてみると、平地部の稲作農業は米輸入の原則自由化、凶作による減反緩和という動きがきっかけになって中核農家の存立そのものをおびやかしつつあり、また林業就業者の高齢化は地域林業経営そのものを危機状態に陥らせている。地域の環境維持、景観維持という視点から、農林業の機能と地域開発の手法を見直すことが急務である。なお、重柳地区の集落調査結果については、本年度末に報告書をまとめた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 村山研一: "飯田地域水引製造業の産地構造(調査報告)" 人文科学論集(信州大学人文学部). 第29号. 11-27 (1995)
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[Publications] 村山研一: "重柳地区集落調査報告書" 信州大学人文学部社会学研究室, 24 (1994)