1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610180
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川合 隆男 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (50051511)
|
Keywords | 学問運動の制度化 / 社会学思想 / 建部遯吾 |
Research Abstract |
・本研究は,「日本社会学院」の活動と建部遯吾に関する研究であるが,小生が近代日本社会学史の一連の研究テーマのもとに進めている研究課題のひとつをなすものである。 ・本年度も建部遯吾(明治9-明治20)の社会学を中心とする学問活動,彼の生涯にわたる活動足跡などを中心に研究を進めた。建部が中心となった「日本社会学院」の活動を知る雑誌『日本社会学院年報』『社会学研究』などの検討,「日本社会学院の後に設立された戸田貞三らによる全国的学会組織である「日本社会学会」の雑誌『社会学雑誌』『季刊社会学』『年報社会学』などの検討を試みた。合せて近代日本社会学関係雑誌記事目録の作成をも開始することができた。建部は,大正11年に東京帝大教授を伝原免体官して以後郷里新潟県を地盤にして衆議院議員として選出されていくが,本年度は彼の郷里の新潟県横越村や新潟県立図書館等を訪れて現地で資料収集することもできて好運であった。 ・他方,本年度は近代日本社会学史研究上あまり明らかにされていなかった。東京芸大の社会学者外山正一の後に,一時期(明治30-34年)らの社会学口座を建部遯吾と並んで担った高木正義(この時期,高木は慶應義塾大学卒でも社会学を講じていた)について米国より帰朝後の彼の社会学模索を調べることもできた。また「日本の社会学史と社会調査史」についての通史的な論稿を書くことができた。
|
Research Products
(2 results)