1996 Fiscal Year Annual Research Report
マスメディアが地球環境問題の認識に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
06610183
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
竹内 郁郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (10013038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 俊郎 筑波大学, 現代語現代文化学系, 助教授 (20163397)
高橋 直之 東洋大学, 社会学部, 教授 (30054480)
三上 俊治 東洋大学, 社会学部, 教授 (00114661)
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Keywords | 環境問題 / マスメディア / 世論 / 社会調査 / 内容分析 / マスコミ効果論 / 地球温暖化 / 社会心理学 |
Research Abstract |
平成6年、7年、8年の3年間にわたって、環境問題とマスメディアに関する意識調査を実施し、また新聞報道の内容分析を行った。平成6年度は、板橋区在住の成人男女1500名(有効回収760名)を対象として、平成年度は東京都23区在住の成人男女900名(有効回収587名)を対象として、平成8年度は首都圏30km圏内在住の16〜74歳の男女1920名(有効回収875名)を対象として、意識調査を実施した。調査の結果、(1)環境問題への関心度は引き続き高い水準を維持していること、(2)地球環境問題の中で比較的関心の高かったのは、「オゾン層破壊」「地球温暖化問題」「放射能汚染問題」であること、(3)若年層は中高年層に比べて環境問題への関心が低く、環境保全行動の実行率も低いこと、(4)環境問題への関心の強さや、環境主義的な態度は、ふだんの新聞接触度と正の相関を示すが、テレビ視聴時間との間には、弱いながらも負の関連がある、などの知見が得られた。以上のことから、マスメディアは地球環境問題に関する人々の意識に、かなり大きな影響を与えていることがある実証された。 平成6年度、7年度には、新聞の環境問題関連記事のくわしい内容分析を行い、マスメディアの議題設定効果仮説やフレーミング効果仮説の検証を行った。その結果、(1)地球温暖化問題に関して強い議題設定効果がみられた、(2)環境問題の原因や責任帰属に関して人々がもつ認識と、マスメディアの環境報道においてみられるフレーム(見方)との間にはずれがあり、フレーミング効果は明確には認められなかった。 3年間にわたる調査研究を通じて、地球環境問題をめぐる意識、行動とマスコミ報道との関連についての貴重な実証的知見が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Mikami,T.Takeshita,N.Nakada,M.Kawabata: "The media coverage and public Bareness of environmental issues" Gazette. vol54. 209-226 (1995)
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[Publications] 三上俊治,竹下信郎,仲田誠,川端美樹,大谷奈緒子: "環境問題をめぐる市民意識とマスコミ報道に関する実証研究" 東洋大学社会学研究所, 112 (1996)