1995 Fiscal Year Annual Research Report
ジェーン・アダムズの思想とハル・ハウスにおけるセツルメント事業の研究-思想形成、子ども・婦人問題および移民問題への対応-
Project/Area Number |
06610217
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
米澤 正雄 秋田大学, 教育学部, 助教授 (20175003)
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Keywords | ジェーン・アダムズ / ハル・ハウス / セツルメント事業 |
Research Abstract |
本年度は、3年研究の2年目として、ジェーン・アダムズ(Jane Addams,1860〜1935)にとってセツルメント事業の有する意味の検討を行った。この検討は、本研究の骨格部分にあたるものだからである。その成果の一端は、教育史学会第39回大会(1995年10月9日、於、新潟大学教育学部)における、「ジェーン・アダムズにとってセツルメント事業とは何か-『社会学の実験室』としてのセツルメント論批判を手がかりに-」と題する発表原稿に示される。この発表では、次のことが明らかにされた。すなわち、アダムズによる「社会学の実験室」としてのセツルメント論批判は、シカゴ大学社会学科主任、A.スモ-ルの構想する社会学研究および教育(特に、シカゴ市を対象とする「社会観察」の拠点としてのセツルメントの位置付け)に対して向けられていること。そして、彼女のハル・ハウスの事業、「労働博物館」(1900年)の試みは、彼女によるこの批判への代案として構想・実践されていること、である。 次年度は、この成果をふまえて、シカゴ大学社会学科の社会学研究(「シカゴ・ソシオロジー」)との関連において、アダムズのセツルメント事業の各論部分-子ども・婦人問題、移民問題への対応-を究明してみたい、と考える。
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