1995 Fiscal Year Annual Research Report
旧制高校とパブリック・スクールにみるエリート教育の構造と機能の比較研究
Project/Area Number |
06610231
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 洋 京都大学, 教育学部, 教授 (70067677)
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Keywords | 教育エリート / 教養 / 文化資本 |
Research Abstract |
旧制高校生をキャンパス文化である「教養」(主義)との関係で類型設定した。類型析出のひとつの軸は教養主義への「同調」と「内面化」(同一化)である。教養主義に同調することは必ずしも内面化(同一化)をともなうわけではない。方便として同調される場合もあるからこの区別がなされた。もうひとつの軸は、「積極的「と「消極的」である。このふたつの軸を組み合わせ四つの人間類型ができる。しかし教養主義への同調は消極的であるが、内面化は積極的であるという類型は考えにくい。したがって、ありうる人間類型はIつまり教養主義に積極的に同調し、同一化する「教養人型」である。IIは、教養主義への同調と内面化が消極的である類型である。「蛮カラ型」である。IIIは教養主義に同調しても内面化が弱かった「テクノクラート型」である。教養主義に同調しながらも、教養知識人のような内面化がよわい。教養を知のアクセサリーとして手段的に利用していく。日本の組織(官庁や会社)においては、「教養」が排除と選別の十分な文化資本にならなかったから、類型Iではなく、類型II(企業)や類型III(官庁)が支配エリートとなっていった。日本の学歴貴族の教養とのかかわりが「類似教養主義」をいわれる点について解明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 竹内洋: "教養知識人の運命-三四郎と実人生-" 漱石研究. 5. 136-145 (1995)
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[Publications] 竹内洋: "NHK人間大学 立身出世と日本人" 日本放送出版協会, 119 (1996)