1995 Fiscal Year Annual Research Report
自己教育実践の時間的再編成の実証的研究-文化的慣習行動と自由時間の日・英・仏の比較
Project/Area Number |
06610232
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上杉 孝實 京都大学, 教育学部, 教授 (90031707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前平 泰志 京都大学, 教育学部, 助教授 (70157155)
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Keywords | 自己教育 / 成人教育 / 学習時間 / 余暇行動 |
Research Abstract |
平成6年度に引続き、日・英・仏三国の日常の文化的慣習行動を、社会的・文化的・生物的時間配分の観点から再定義する作業を、既存の文献・調査資料にもとづいて行うとともに、これらを参考にして、日本における実証的研究としての調査を試みた。とりあげた項目は、テレビの視聴、ラジオの聴取、新聞の閲読、読書、美術館・博物館・図書館の利用、音楽会、演劇鑑賞の経験、映画・ビデオ・CDの利用、スポーツ鑑賞 、休暇の程度、旅行体験、音楽活動、芸術品制作活動、社会教育活動、趣味、一週間の時間配分である。これらについて、性、年齢、職業、学歴によって分析した。日本は仏、英にくらべて、活字メディアへの接触は多いが、芸術鑑賞や作成活動でアクティブであるとはいえない。また社会教育活動が昼間に偏りがちであり、勤労者の参加が少ないという差異がある。文化的慣習行動の多さが余暇時間の長さに規定されていることは確かであるが、その内容を規定する上で過去の教育経験が大きく影響している。また女性の行動が比較的年齢に関係なく連続的であるのに対し、男性は60歳代を境としての非連続性が大きい。この点はとくに日本において顕著であるといい得る。職業生活時間の長さがかかわって、性・年齢による規定が大きいのである。ただし週休2日制の広がりによって、土曜日の活用がめだつようになり、勤労者も含めての自己教育実践の可能性は増しているといい得る。
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