1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610243
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 博敏 広島大学, 教育学部, 助教授 (10127730)
|
Keywords | 高等教育 / 私立大学 / 学校法人 / 建学精神 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の市立高等教育機関の多様性と独自性を明らかにし、その役割を探究することにある。そのために、平成6年10月、大学を設置している学校法人390を対象に、建学精神の内容に関する質問紙調査を行い、あわせて沿革、理事会組織、事務機構に関する資料の送付をお願いした。その結果、150の大学法人より何らかの回答があった。平成6年度は、まず設置者の類型化および理事会組織と事務組織の分析を行った。その分析結果の一部を要約すると、以下のようになる。 1.1990年までに設置された大学法人353のうち、宗教系の法人は82(23.2%)を占め、その内訳は、カトリック系13(3.7%),プロテスタント系37(10.5%),仏教系29(8.2%),その他3(0.8%)である。宗教系大学法人が多い地域は、四国(40.0%)と近畿(32.9%)である。 2.宗教系私学の大学としての出発時に設置した学部学科は人文系が最も多く、半数を越えている。また女子教育の大学を設置するものが約7割を占めており、これは特にプロテスタント系で著しい。 3.理事長と学長職が兼任されている法人は、1994年現在、68法人(21.3%)である。宗教系ではその割合は低く、カトリック系とその他宗教系は皆無、プロテスタント系15.6%、仏教系14.8%となっている。また、女性や外国人の理事長が多いのも宗教系の特徴である。 4.理事長と学長職が兼任されている法人の割合は、全体的には、1987年の24.5%に比べると3.2%減少している。経営と教学の分離が進行しているのは、創設者の死亡に伴う一元的リーダーシップ遂行の困難化や大学法人の大規模化、などに伴う分業の進行が進んでいることを物語っている。 なお、現在、建学の精神の内容分析を行うよう準備を進めている。上記の事項を含めて計画中のすべての分析作業が完了し結果がでるのは、平成7年度になる予定である。
|