1995 Fiscal Year Annual Research Report
わが国とフランスの中等教育における進路指導に関する比較研究-偏差値を用いない進路指導の具体的事例を中心に-
Project/Area Number |
06610249
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
田崎 徳友 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10091224)
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Keywords | 進路指導 / 偏差値 / フランス / 比較研究 |
Research Abstract |
フランスでは、生徒の進路指導において、偏差値などを用いることはなく、生徒に進学や職業に関する豊富な情報を与え、自ら決定させる方式をとっている。その決定に当たっては、生徒の教育を担当する教師全員で構成される教員委員会が開催され、そこで生徒の観察結果に基づき、進路を勧告し、生徒の意欲、志望との調整を図るなどの組織的な進路指導制度が確立している。 以上のようなフランスの進路指導について基礎的な研究を行い、それに基づいて、平成7年度は日仏間の比較研究を進めてきた。研究の対象にした点は以下のとおりである。すなわち、(1)進路指導の考え方、進路指導の仕組み、(2)人間観、教育観、(3)偏差値を利用する理由と、反対にそれを用いない理由、(4)偏差値を用いず、個人の選択能力を重視する進路指導の具体的事例の詳細な解明、(5)進路の決定と生き方との関係などについてである。 このうち、進路指導制度やそれを支える考え方については、これまでの研究蓄積もあり、かなり解明できたと考えている。また、フランスの生徒の進路指導において偏差値が用いられない現実についてはほぼ明らかにすることができたが、その理由について確定的に断定することはできていない。これについては、自由、自立や自己責任、進学率、入学試験制度などの観点からさらに考察を深めていき、偏差値をもちいない理由について明らかにし、わが国への示唆を得たい。 今年度の研究成果については学会や大学学部等の紀要に発表する予定であるが、最終的には、日仏両国の比較研究をとおして、進路指導の本質や教育として欠かせないその機能に関する研究として、学位請求論文にまとめるつもりである。
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