1994 Fiscal Year Annual Research Report
「消費社会における教師」に関する実証的研究-意思決定過程に注目して-
Project/Area Number |
06610250
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
油布 佐和子 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (80183987)
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Keywords | 消費社会 / 教師集団・組織 / エスノグラフィー |
Research Abstract |
本研究の目的は、「豊かな社会」(=高度消費社会)における新たな傾向を持つ教師の出現が、個々の教師の教育行為のみならず、集団や組織、制度レベルに、いかなる影響を及ぼしているのかを明らかにすることにあった。 研究目的を達成するために、本年度は、主としてエスノグラフィーの手法を用い、学校の日常を長期にわたって観察することにした。対象校として、中学校・小学校をそれぞれ1校ずつ選定し、平成6年6月より平成7年2月末まで、一週間にそれぞれ2回のペースで学校観察を実施した。学校観察は、100日を超えた。学校行事を中心に、教師の活動を観察することから始めたのだが、2学期には、学年会や職員会議にも出席を許されるまでになり、教師の日常的な行動を網羅的に把握することができた。今年に入ってからは、学校行事ではなく、先生がたの日常の授業や行動を中心に観察を続け、またビデオによる記録やインタビュー調査も併用し、データの収集に努めた。 観察後は、ジョッティングノートをもとにフィールドノートを完成させることに努めた。この間、収集したデータの一部で「教師の多忙化に関する一考案」という論文を紀要にまとめた。 現在は、ビデオやテープをおこし、文章化するとともに、8冊近いフィールドノートをもとに、分析の枠組みを検討し、さらに、観察データを元にしたアンケート調査の企画をしている段階である。
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