1995 Fiscal Year Annual Research Report
重度の盲聾二重障害児のコミュニケーションと探索活動の相互連関に関する実践的研究
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06610275
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
土谷 良巳 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 研究室長 (00142000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
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Keywords | 盲聾二重障害 / 視覚・聴覚二重障害 / 探索活動 / 移動 / コミュニケーション |
Research Abstract |
3年間の研究計画の2年次に当たり、研究の対象となる肢体不自由と精神遅滞を伴う重度の盲聾二重障害児5名について、国立特殊教育総合研究所の教育相談への来所を引き続き依頼することにより、また対象児の所属機関(研究協力機関)である横浜市立盲学校、宮城県立盲学校及び福井県立盲学校への訪問、さらにそれぞれの対象児の家庭へ訪問することにより行動観察を重ね、子どもの日常生活行動及び探索活動とコミュニケーション行動の実態に関し、主としてビデオ映像により記録を収集した。 この資料に基づき、平成8年2月には国立特殊教育総合研究所において、協力者が集い研究協議を行い、昨年度に作成した比較研究の枠組みに基づいて各事例(対象児)相互の共通性と独自性について検討した。さらに、平成8年度に実施する教育実践の内容・方法(教育計画)について修正し、結果のとりまとめ方についても併せて検討した。 移動を伴う探索活動が活発な1事例、寝返り等の移動と手による探索活動が活発な2事例、寝返り等の移動は可能だが手によるよりは口を使うことによる探索活動の方が優位な1事例に関し、これまでの行動観察結果から、探索活動の活発さを軸にコミュニケーションの内容・方法を比較すると、おおむね探索活動とコミュニケーションのそれぞれの程度はパラレルな関係にあることがわかった。残りの1事例は現在伝い歩きの状態にあり、並行して手による玩具の探索が活発になってきている。だが、身ぶりサインの発信自体は増えておらず、むしろ周囲に対する受信が増大してきているので、この事例の観察をさらに続けることでコミュニケーション(特に身ぶり系及び発声系による発信・受信行動の促進)と探索活動の相互連関に関する新たな資料が収集できる見込みである。
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