1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06610412
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Research Institution | KONAN WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菊池 真一 甲南女子大学, 文学部, 助教授 (80153055)
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Keywords | 講談 / 新聞 / 明治期 |
Research Abstract |
前年度は「京都日出新聞」について調査したが、今年度は「大阪毎日新聞」をマイクロフィルムによって調査し、講談関連記事(「講談」「講釈」の文字を含むもの、及び講談席・講釈師を扱ったもの)を抜き出して、「明治期大阪の講談-大阪毎日新聞に見る-」をまとめ、「甲南女子大学研究紀要」に発表した。更に、「京都日出新聞」「大阪毎日新聞」について新聞掲載講談年表を作成した。 明治期大阪の講談の特徴としては、 1.大阪毎日新聞は、東京の講談師が来阪すると記事として詳しく書き立てるが、地元大阪の講談の寄席興行については、あまり詳しく書かない。落語が比較的扱われているのに対して、講談の興行状況は殆ど取り上げられていない。却って京都の興行案内を載せている程である。 2.明治三十一年末の「芸園落葉篭」という投書欄を見ると、各人が大阪京都の講談師の贔屓・評価をしているが、結局は、ある人の言う「名人上手と云講談師は京阪の間に一人も居ません」というのが実体のようである。 3.京都の講談については、明治末年までに衰亡した事が確認できるが、大阪の講談については、大正期の新聞を調べてみないと何とも言えない。 以上である。
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