1994 Fiscal Year Annual Research Report
河内本源氏物語の諸本調査と校異作成およびそのデータベース化についての研究
Project/Area Number |
06610415
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural Women's Junior College |
Principal Investigator |
加藤 洋介 愛知県立女子短期大学, 講師 (00214411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 元 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (00226747)
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Keywords | 河内本 / 尾州家本 / 源氏物語大成 |
Research Abstract |
昨年度から継続していた賢木巻から朝顔巻までの調査を完了し、その成果を『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(二)』として印刷刊行、源氏物語研究者に配付した。また本年度特に曼殊院本源氏物語(蓬生・関屋・薄雲)の調査を許された。その結果、曼殊院本についての『大成』の誤謬を多く発見し、さらにこの曼殊院本と尾州家河内本本(名古屋市蓬左文庫蔵)・高松宮家本(国立歴史民俗博物館蔵)の三伝本が、直接の書承関係にあることが、本文異同の比較から明らかになった。詳しくは「河内本本文の成立-「曹尾州家蔵河内本源氏物語存疑」続貂-」(『講座平安文学論究』第十輯、風間書房、1994年)にまとめて発表した。 本年度は当初の計画通り、若葉下巻までの調査を終了させた。各種河内本伝本の調査において、『大成』が割愛したミセケチや傍書・補入までを校異として採用することにより、それぞれの伝本間の関係が明らかになりつつあることは、上にも述べたところである。さらに本年度調査の対象としている巻には、尾州家本において補写とされている巻が多く含まれており、従来耕雲本によるとされてきた補写巻の本文について、その当否を含めての再検討を現在試みている。 来年度については、柏木巻から早蕨巻までを対象とし、青表紙本と河内本諸本との校異を調査した上で、その調査結果を、『大成』の校異に準ずるかたちに整える。平成6年度および8年度分と合わせて研究成果報告書として印刷刊行し、広く源氏物語研究者の利用に供するためである。その一方で、すでに入力済みの桐壺巻から朝顔巻までのデータについて、様々なタイプの検索に堪えうるようデータを整備し、その検索のためのプログラムを作成している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加藤 洋介: "河内本本文の成立-「曹尾州家蔵河内本源氏物語存疑」続貂-" 『講座 平安文学論究』. 第10輯. 171-205 (1994)
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[Publications] 加藤 洋介: "源氏物語大成校異篇 河内本校異補遺 稿(二)" 加藤洋介(私家版), 86 (1994)