近世叢伝資料の人名索引の作成

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06610416
• Research Institution: National Institute of Japanese Literature
• Principal Investigator: 鈴木 淳 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (40162953)
• Keywords: 叢伝 / 近世 / 人物詩

Research Abstract

本索引は、近世の人物叢伝に掲載された、近世の文芸家を中心とする人名索引である。対象としたのは、約四十点の叢伝資料、約三千名の人名で、本索引によって、各人名を所掲する主要な叢伝資料を一覧することができる。
近世の人物叢伝を大別すると、『本朝遯史』『扶桑隠逸伝』『古今人物志』『本朝画人伝』などの前期に成立したものと、『近世畸人伝』『名家略伝』『百家埼行伝』『先哲叢談』『近世叢語』など後期に成立したものとに分かれる。いづれも、今回の対象としたが、前期の叢伝は中世以前の人物の掲載が主であるから、主要な対象となったのは、後期の叢伝である。とくに、このほか『歌林一枝』『俳家奇人談』『狂歌人物誌』『江戸物本作者部類』『典籍作者便覧』『浮世絵類孝』など、歌人、俳人、狂歌師、戯作者、学者、絵師その他の文芸家を掲載する叢伝を網羅的に索引化することに努めた。また、儒家を中心とする碑文資料として、『事実文編』と『史氏備考』の二編を収録したが、そのうち後者は、従来、あまり活用されてこなかった、大部な未刊資料であり、近世文芸家研究に資するところが大きい。
本索引の構成は、叢伝資料別、掲載順に収録したものが前半をなし、全人名を五十音順に収録したものが後半をなす。各人名項目は、各号と叢伝資料名及び巻数等からなり、各号については、『国書総目録』に準拠して、その統一を図ることに意を用いた。今後は、さらに全ての各号から検索できるよう、索引を整備して、国文学研究資料館の『調査研究報告』に公表し、広く研究者の活用に備えたい。