コンピューターによる中世英国韻文ロマンスのコンコーダンス編纂

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06610436
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 齊藤 俊雄 大阪大学, 言語文化部, 教授 (80031540)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
• Keywords: コンコーダンス / コンピューター利用 / 中世英文学 / 中英語韻文ロマン / アーサー王伝説群

Research Abstract

我々は平成6年度から3年間科学研究費補助金の交付を受けることになり、これまでに科学研究費補助金を受けて電子化とコンコーダンス編纂をし残した中世英国韻文ロマンスの「ノンサイクルもの」及び「アーサー王物語群」の作品6篇のコンコーダンス編纂を遂行する計画を立てたが、初年度の平成6年度はSir Degrevant(14世紀末、1678行)、The Grene Knight(c1500,516行)のコンコーダンス編纂を行った。
2年度の平成7年度はノンサイクルものの作品The Lyfe of Ipomydon(c.1500)とアーサー王物語群の作品Sir Gawene and the Carle of Carelyle(c.1400)の2作品を取り上げた。前年度の作品の場合と同様に、我々は此の2作品をこれまで研究していなかった作品であり、コンコーダンス編纂の問題点を探るための作品研究とテキストの検討に時間を取られた。また研究代表者は阪神大震災で居住マンションが半壊し、その復旧工事等で、研究が大変阻害されたが、幸いアルバイト学生にコンピュータ入力と校正を手伝ってもらうことができ、今年度後半になってから仕事が進捗し、2作品のテキストの電子化(機械可読化)が終了した。年度末までに予定の編纂を終了するよう鋭意努力中である。
編纂している2作品のコンコーダンスは、これまでと同様に、それぞれKWIC (Key Word In Context) concordance,word index,ranking frequency list,reverse word list,rhyme word listよりなり、これらの作品の様々な面にアプローチできるようにする。このような多面的なコンコーダンスは、出版されれば、その作品群の研究に有用な道具として歓迎されるものと思われる。