1994 Fiscal Year Annual Research Report
製造物責任判例、法理論を通しての「製品安全基準」の構築
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06620025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北川 俊光 九州大学, 法学部, 教授 (60253382)
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Keywords | 製造物責任 / 製品安全 / 厳格責任 / 保証責任 / 欠陥 / 開発危険 / 技術水準 / 危険の引受 |
Research Abstract |
今年度(平成6年度)においては、1.国内外における製造物責任関連の文献の収集、整理、検討を行った。(1)特に、今年度においては、研究課題である製造物責任についてわが国においても新たに法律が制定されるにいたり(法律第85号)、同法に関連する文献が発行され、その収集、整理、検討も鋭意行った。また、この製造物責任法の解説の論文を発表した。(2)製造物責任事故の対象としての製品、部品、原材料の特定が必要で、このために(イ)同事故を発生せしめるおそれのある製品、部品、原材料の区分をこれら文献から行い、さらに(ロ)これまでに製造物責任事故を発生せしめた主要な製品、部品、原材料の分析、調査、取り纏めを行った。2.日本のすべての製造物責任事故の判例を入手することができ、分析、調査活動に入っている。この分析をとおして「製品安全のための基準」構築のスキームを確立すべく作業中である。3.産業界にとっては、製造物責任法の下における製造物責任クレーム・訴訟の防禦が非常に重要になるため、この関連の実態調査を行うと共に研究を行い、論文を発表した。また産業界の製造物責任問題の製品安全対応の側面は中小企業により大きいインパクトがあるところから中小企業のための製品安全問題の対応の側面にも力を入れ、研究を行なった。特に、わが国において新たに制定された製造物責任法の施行が平成7年7月1日からになることから産業界への影響は大きいものになることが予想され、わが国産業界として製造物責任法空の影響をどのように考え対応すべきかということが急務の課題となり、この面からの研究を本件研究の中でも取り扱うことができ、いくつかの研究成果みて、論文を発表することができた。4.これまでまたこれからはこれまでの分析、研究の成果等をコンピュータに入力する作業も増えている。5.他の学会等における研究成果の発表等も計画中である。
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[Publications] 北川俊光: "企業法務における製造物責任法" 自由と正義. No.2. 43-51 (1995)
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[Publications] 北川俊光: "製造物責任法の研究、評価と対応策" 金融・商事判例増刊号. No.960. 126-131 (1995)
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[Publications] 北川俊光: "PL防禦(PLD)対策" 品質管理. VOL.35. 21-24 (1994)
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[Publications] 北川俊光: "わが国における製造物責任法の解説" ENGINEERS. No.549. 1-12 (1994)
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[Publications] 北川俊光: "製造物責任(PL)法と製品安全" 製造物責任法への対応(三井海上). 1-3 (1994)
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[Publications] 北川俊光: "製造物責任制度と企業対応" 月刊国民生活. 平成6.3. 32-37 (1994)
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[Publications] 北川俊光: "日米ビジネス紛争第5章として" 北川俊光, 111-133 (1994)