1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06620028
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中川 良延 千葉大学, 法経学部, 教授 (20002967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 眞維 千葉大学, 法経学部, 教授 (30157804)
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Keywords | 離婚 / 遺産分割 / 家事調停 |
Research Abstract |
本研究においては、まず家庭裁判所の家事調停記録、特に家事調停委員の手控えを含む非公式記録を中心に、事件の諸要素を含む記録を閲覧・騰写した。調査対象事件は、1昨年に家庭裁判所に調停申立がなされ、昨年度末までに調停手続きが終了した事件である。そのなかの全ての事件ではなく、遺産分割に関する事件、および実質的に見て離婚に関する事件の2種類を選び出した。後者は協議離婚のトラブルなども含めると、家事調停事件のなかの極めて大きな割合を占めており、当初、騰写する事件は全体の6割程度という見込みであたが、最終的には8割近い割合になった。また、当初は全事件のなかからサンプルをランダムに選択する予定であったが、裁判所における記録が必ずしも事件受理月日毎に整理されて保存されているわけではなかったので、該当事件の全てを騰写する方針に切り替えた。なお、事件記録の性質上、当事者のプライブァシ-保護に十分に配慮するため、騰写に当たっては、調査者が当事者の氏名、住所、関連地名、雇用先名等々、固有名詞のほとんどをテープで隠してから騰写を行うというやり方を採用した。 以上のような調査手続きの変更のために、調査が大幅に遅れてしまった。これまでに、昨年12月末までに終了した事件の全ての騰写を終え、コーディングの準備も終え、現在、統計分析のためのデータベース作成のため、パーソナルコンピューターに入力中である。予定を大幅に遅れてしまったが、4月には基本統計の分析を行い、数量的分析は5月頃に終了する見込みである。 なお、データベース作成の作業と平行して、個々の事件記録を読み、調停事件の展開の筋を読み説く定性的な分析も進めている。これも、ケース総数が大幅に増えたため、まだ作業が半ばである。
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