1994 Fiscal Year Annual Research Report
犯罪行為者を対象とする刑事政策と社会福祉の相互連携に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
06620043
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土井 政和 九州大学, 法学部, 教授 (30188841)
|
Keywords | 刑事政策 / 福祉政策 / 更生保護 / 犯罪者処遇 / 行刑 |
Research Abstract |
研究の目的は、(1)戦後日本における更生保護制度の展開を行刑および社会福祉との関連で分析すること、並びに刑事政策と福祉政策との関連について英米欧との比較研究を行うこと、(2)犯罪者(非行少年)処遇と社会福祉との関連について実証的研究に基づき具体的な政策提案を行うこと、であった。そのため、平成6年度は(1)関連文献の収集・整理・検討を行う、(2)実態調査の準備作業として、聞き取り、アンケート調査を行うことを計画した。 今年は初年度ということもあり、具体的な研究成果を報告するまでには至っていないので、作業の進捗状況を報告するにとどめる。(1)関連文献の収集・整理・検討については、ほぼ予定していた文献を収集し、現在整理・検討中である。これは、次年度以降も継続して行う。比較法的研究では、8月末から9月初めにかけてフレーメンで開催された国際少年裁判官会議に出席する機会をえたので、ブレーメンの少年非行対策における刑事政策と福祉政策の相互関係について、実務状況を見聞すると共に、資料の収集を行うことができたのが大きな収穫であった。特に、福祉政策を通じた非行少年への対応(社会内処遇)とその理論的根拠を知ることができたのは本研究にも大きな示唆を提供するものである。(2)アンケート調査の準備作業については、アンケート項目の作成が、関連文献の整理・検討を踏まえた上でないと進まないこともあり遅れていたが、現在、調査項目の確定作業を急いでいるところである。
|