1996 Fiscal Year Annual Research Report
欧州再編過程の政治ダイナミズム一旧東欧の西欧への統合
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06620056
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
植田 隆子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10138620)
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Keywords | 欧州連合(EU) / 北大西洋条約機構(NATO) / 欧州安全保障協力機構(OSCE) / 西欧同盟(WEU) / アメリカ / ロシア / 地域的安全保障 / 欧州 |
Research Abstract |
1。本年度は、欧州連合条約の改正交渉にあたる政府間会議が開始され、欧州連合の共通外交安全保障政策の見直しが始まったため、その動向を検討した。西欧同盟は当面、独立した組織として維持される方向であり、中・東欧諸国は、西欧同盟の活動に次第に関与してきた。欧州連合の東方への拡大については、加盟交渉が早ければ1998年末に開始される見通しが出、加盟準備が進められているのでこの実態を別途現地調査も実施して考察を進めた。 2。北大西洋条約機構の東方拡大問題は、旧東欧の西欧への統合の核心をなす問題となり、これについても別途現地調査を実施し、北大西洋条約機構諸国の政策および加盟を希望する国々の対応、およびこれに反対しているロシアをめぐる問題を検討・分析した。 3。1997年12月に開催された欧州安全保障協力会議首脳会議には、日本政府代表団の顧問として出席し、欧州安全保障再編をめぐる現場の議論を傍聴し、分析を重ねた。北大西洋条約機構の東方拡大問題をめぐるロシアとの調整は、米ロおよびNATO-ロシア間で検討がなされ、欧州安全保障協力会議自体は、直接的にこの問題を扱う場となっておらず、むしろ、環境の整備に使われていることが明らかになった。 4。上記の成果は、裏面記載の論文などで発表されたほか、96年6月および97年1月に日本国際問題研究所と英国王立国際問題研究所との合同学会、96年8月の日本国際問題研究所とジュネ-ヴ高等国際問題研究所との合同学会などで欧州の再編が日本に与える影響も含めて口頭の研究発表を実施した。 5。本年は最終年度にあたるため、3年間の研究成果を総合し、著書出版の準備を進めた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 植田隆子: "勢力均衡・集団安全保障・協調的安全保障" 津田塾大学国際関係研究所編『20周年記念論集』. 17-27 (1996)
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[Publications] Takako UETA: "Le Japon et la securite collective" Relations Internationales. 86. 185-197 (1996)
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[Publications] 植田隆子: "米欧安全保障関係" 世界平和研究所編『米欧関係の現状と今後の展望に関する調査研究』. 19-33 (1996)
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[Publications] Takako UETA: "Security Dialogues" Asia-Pacific Studies (Kyung Hee Univ.). 3/96. 1-16 (1997)
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[Publications] Takako UETA: "Japonsko a Obnova Europy" Mezinarodni Politika. 7/96. 18-19 (1996)
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[Publications] Takako UETA: "Japan anol the OSCE" PSIO Occasional Paper, Graduate Institute of International Studies,Geneva. 1. 37-44 (1996)
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[Publications] Takako UETA (一部執筆): "Common Foaeign and Sewity Policy" Pinter/Cassells (UK) (印刷中), (1997)
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[Publications] Takako UETA (一部執筆): "Europeon Security and Identity (teutative title)" (印刷中), (1997)