1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本と東南アジアの相互間のイメージ-日本のNGOの役割
Project/Area Number |
06620057
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
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Keywords | 日本 / NGO / 東南アジア / 関係 / イメージ / タイ / フィリピン / インドネシア |
Research Abstract |
東南アジアで活動している日本のNGOから、その組織、活動に関する情報、及びニュースレター等を収集し、それら情報に基づき、様々なNGOの目的及びアプローチ法の類型化を試みた。その結果、限定された目的を持つNGOがある一方で、多様な目的を持つNGOがあること、また、自らの役割を慈悲的なものと認識しているNGOがある一方で、開発の枠組みにおいて社会変革を促進しようとするNGO-このようなNGOの割合は増加している-があることが分かった。 自らの体験についての報告を含む、様々なNGOによって行われる「現地視察」に関する情報の収集には、特に努力した。そうした情報により、彼らの認識に関する興味深い側面が明らかにされた。すなわち、先入観は人々が始めての体験を解釈する際に重要な役割を果たす、という社会科学の文献の報告は一部確認された。しかし一方、観察結果には、いくつかの予期しなかった強調点もみられた。それは、交流による双方の利益を指摘し、いかに生活を楽しむかについて困難を耐え忍んでいる、東南アジアの人々から学ぼうという姿勢等である。但し、こうした、教えるだけではなく自らも学ぼうという開放性は、より若い世代にみられるものであった。 NGOの関係をより広い文脈において把握するために、あらゆる目的で行われる日本・東南アジア双方向への人員の移動や、手紙、ファクシミリ、電話による連絡に関する情報を収集した。この情報により、NGOの交流が急速に増大する一方、従来からあるその他の形式の交流も同様に、あるいはそれ以上に増大しており、従って、有益なNGOの役割の効果は、その分圧縮されてしまうことが確認された。
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