1994 Fiscal Year Annual Research Report
資本財ヴィンテージと効率性:経済動学モデルによる分析
Project/Area Number |
06630002
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
山本 賢司 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (10182619)
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Keywords | 資本財 / ヴィンテージ / 世代重複モデル / 生産の効率性 |
Research Abstract |
本課題研究では、ヴィンテージの異なる資本財を含む世代重複モデル(overlapping-generations model,以下OLGモデルと呼ぶ)を分析した。このモデルは、資本財に100%の減耗率を仮定しないという意味で、標準的なOLGモデルと異なる。耐久資本財の存在から、資本財価格と消費財価格との関係を考慮する必要があった。より具体的には、以下のように研究を進めた。 (1)ヴィンテージの異なる資本財を含むOLGモデルの設定と競争均衡の定義 ヴィンテージの異なる資本財の存在と生産関数の変化(具体例として、技術進歩を想定)を仮定した上で、企業の利潤最大化問題を新しく定式化した。家計については、保有する資本財の耐久性により、その市場評価額を含む予算制約式を与え、効用最大化問題を設定した。更に、競争均衡(定義)においても、ヴィンテージの異なる各資本財の市場を考慮した。以降の準備として競争均衡の存在を確認し、すべての仮定が斉合的であることを数理的に示した。 (2)均衡での資本財に関するヴィンテージ構成の決定 耐久資本財は資産であるから、市場が完備(complete)である限り、no arbitrage条件は満たされる。したがって、均衡利子率と資産収益率から、ヴィンテージ構成が決まると推測した。この推測が、OLGモデルにおいて成立することを数理的に示した。
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[Publications] Kenji Yamamoto: "Capital Vintage and Competitve Equilibrium in an Overlapping-Generations Model" Working Paper,Otaru University of Commerce. (1994)
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[Publications] Kenji Yamamoto: "Capital Vintage and No Arbitrage in an Overlapping-Generations Model" Working Paper,Otaru University of Commerce. (1995)