1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06630021
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西村 善博 大分大学, 経済学部, 助教授 (50172705)
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Keywords | 社会経済計画 / 将来人口推計 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に訳出した国連の社会経済計画立案における将来人口推計の手引き書(Projection Methods for Integating Population Variables into Development Planning,Volume I,Module1,module2,module3)の内容の検討を行い、次のことが明らかになった。 第1に、国連の当該文献は、開発計画の作成過程に人口要因を組み込む方法に関するテクニカルマニュアルとして作成されている。特に、それは、中長期にわたる一国の総合計画あるいは部門別計画の作成に適用できるように意図されている。第2に、人口変数を統合化するための合理的、概念的基礎に関する資料が含まれる。ただし、この議論の部分は、この文献の全体の中ではかなり短い。第3に、計画に人口要因を組み入れる考え方として、人口に影響を与える計画立案の視点ではなくて、「予想される人口変化に適合するように、人口変数を考慮する」という視点がとられる。この点は、将来推計の仮定の設定に影響を及ぼしている。第4に、この文献で、推計方法が実際に提示されるのは主要な変数のみに限定される。それは大きく分けて、人口変数グループと社会・経済変数グループからなり、前者は後者の一応の前提となる。第5に、人口変数、社会・経済変数の推計方法は、既存の信頼性のある部分的な手法による。したがって、全体の整合性をいかにとるかが問題になるが、国連は、原則として、推計を反復することによって変数間の矛盾を減らすことを考えている。 さらに、人口変数等の具体的な推計の手法とも絡ませて、国連の方法論の特徴を検討することが残っている。
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