1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本の企業・企業集団の史的分析-企業の統治構造と経営者の組織能力からのアプローチ
Project/Area Number |
06630063
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮島 英昭 早稲田大学, 商学部, 助教授 (60182028)
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Keywords | コ-ポレート・ガ-バナンス / 企業金融 / 所有構造 / 企業集団 / 設備投資 / メイン・バンクシステム / 財閥 |
Research Abstract |
本研究は、第1次大戦前後から石油ショック前後を主たる対象時期として、当該期の日本経済をリ-ドした大企業に焦点を合わせ、その企業構造並びに行動特性と、右の大企業から構成される企業集団の機能の史的分析を課題とした。具体的には、企業の統治構造(エイジェシ-関係、情報構造、誘因体系)と経営者の組織能力の形成の2点に分析の焦点を定め、対象時期を、1)戦間期(第1次大戦期から37年まで)、2)戦時期、3)戦後改革期、4)高度経済成長期(55年前後から73年)の4期に区分し、報告者のこれまでの研究蓄積を考慮して、まず戦間期と、高度経済成長期の研究に重点を置いた。 本研究実施した作業は、1)1920、30、37、43、(48)、55、64、72、80、90年について上位企業(戦前については、100社、但し可能であれば200社、戦後は上位200社と全上場企業)をピックアップして、企業の統治構造の把握にとって重要な指標(株主構成・銀行借入・経営者の構成=所有型・専門経営者等)、企業経営の基本的な指標(資産・売上・利益・原価・金融費用・配当)、及び企業集団に関する指標(株式保有比率融資比率・役員派遣等)に関するデータベースを作成することであった。この作業は、戦後高度成長期に関してほぼ終了し、戦前期に関して現在作業中である。また、今年度は、上記を利用して、戦後改革期、と高成長期の前半をそれぞれ主題とした論文を執筆した。前者は、戦前・戦後のドラスチックなコ-ポレート・ガヴァナンスの変化に焦点を合わせたものである。後者は、企業集団・メインバンクシステムの形成過程の追跡と、その設備投資、企業成長(資産規模))に対する影響の分析を主題としたもので、和文・英文で執筆した。なお、本年度は、上記の作業の必要上、資料収集・コンピューターデータ入力等に経費の多くが計上された。
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Research Products
(2 results)