1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06630087
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
平田 光弘 一橋大学, 商学部・附属産業経済研究施設, 教授 (40017489)
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Keywords | EC統合 / 国際競争力 / 競争力 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、次のとおりであった。 1.CE統合の深化と拡大の状況を把握する。2.EC市場統合の進展がEC域内外の貿易に対して及ぼしてきた影響を明らかにする。3.競争力の指標・測定尺度の吟味を行う。4.EC産業の競争力を測定する。5.ECの代表的企業の競争力を測定する。 研究の重点は1と3に置いた。1については、ほぼその状況を捉えることができた。EC統合は着々と量的拡大を遂げつつあるが、質的深化の面では停滞を余儀なくされ、市場統合以後、目立った進展が見られないと言える。一方、3については、競争力(国際競争力と同義)の指標を検討した。競争力に関する従来の議論を振り返ってみると、国の競争力と産業の競争力と企業の競争力とが区別されずに論じられてきた感がある。筆者にとっては、企業の競争力、より具体的に言えば、製造業企業の競争力こそが重要であり、これを決定する主な要因としては、価格(原価)、品質、性能、デザイン、アフタ-サービス、労働力、技術力、開発力、販売力、収益力などが挙げられうる。目下、これらの質的・量的要因について、筆者は考察を深めている。ところで、筆者は、本研究にかかわる日本企業の国際競争力について、研究発表を行った(平成6年11月29・30日、パシフィコ横浜で開催された第1回日欧経済政策フォーラムにおいて)。その報告では、日本企業の競争力の源泉は何か、日本企業の弱さはどこにあるか、また、日本企業の競争力の現状と将来について、若干の実証分析を試みるなどして、検討を加えた。この報告は本研究を深める上で良い機会となった。
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