1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06630088
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
倉田 良樹 一橋大学, 社会学部, 助教授 (60161741)
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Keywords | EAP / キャリアカウンセリング / 産業精神衛生 / メンタルヘルス / 産業カウンセリング |
Research Abstract |
平成6年度においては、産業精神衛生に関する外国文献のサーベイとわが国の実態に関する企業ヒヤリングを中心に研究を実施した。本年度の研究実績の要点は以下の通りである。 (1)米国企業の従業員相談製度には原理を異にする2つの製度がある。1つは従業員福祉施策または従業員援助計画(EAP)として実施されるメンタルヘルス的な相談制度であり、いま1つはHRM部門主導のキャリアカウンセリング的な相談製度である。本研究のテーマは両者いずれにも関わっているが、両者の区分を厳密に認識することから出発する必要がある。 (2)産業精神衛生の必要性に関する認識は現代の日本の企業において広く共有されているが、その取り組み実態に関しては企業ごとにきわめてバラツキが大きい。 (3)産業精神衛生への取り組み積極度を規定している要因については、規模、業種、従業員構成といった客観的な指標だけではなく、当該企業の労使関係、労務管理の歴史的な経緯や経営トップの考え方等の主体的な要因にも配慮する必要性がある。 (4)産業精神衛生の実行に関しては、問題意識はあるが実行はできない、という企業が一般的である。この領域に関しては企業側の主体的な取り組み意欲だけに期待するだけでは充分ではない。何等かの行政的な枠組みが必要でであると考えられる。産業カウンセラ-や心理相談員等の養成に関わる公共施策について企業は強い関心を有している。
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Research Products
(1 results)