1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640131
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
森本 徹 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80025460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 伸夫 京都教育大学, 教育学部, 講師 (10235301)
笹谷 文雄 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (60027703)
大竹 博巳 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (70168970)
占部 博信 京都教育大学, 教育学部, 教授 (60027711)
丹後 弘司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10025471)
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Keywords | 接フィルター / 巾零幾何 / 巾零解析 / Gevrey / Caratheodry計量 |
Research Abstract |
本研究では「巾零幾何、解析」の展開を目指し、特に、接フィルター付き多様体上の微分方程式に対し、接フィルターから導かれる重み付きの微分次数を基にした系統的な研究を進めてきた。これまでの研究により“有階べき零リー群上には形式Gevrey関数族が重み付き次数を用いて自然に導入され、任意の重み付き包合的な微分方程式系はこの形式Gevrey関数族の中で必ず解を持つこと"を見出している。従って巾零リー群上では解析関数に代わり形式Gevrey関数が重要な役割を演じることになるが、この形式関数の実体或いは幾何学的意味を明らかにすることが本研究の最重要課題の一つであった。 これに対して今回重要な進展を得た:即ち典型的な3次元Heisennberg群Ηにおいて次の結果を得た。ΗにCaratheodry計量を入れ、これを用いて擬指数写像Ψ:R^3→Ηを定義する。ΨはR^3の原点を通る超曲面ΣをΗの単位元に写しそこで特異点を持つが、Ηの単位元での形式Gevrey関数Fに対してΨ^*FはΣでの解析関数を定める。この事実は形式Gevrey関数の幾何学的意味を解明する鍵となると同時に、幾何と解析の接点において興味深い問題を新たに次々と提起し、今後の研究に大きな活力を提供する。 この結果は95年2月北大での研究会「幾何構造を巡って」において発表された。また1月には秋田大での研究会「接触構造とその周辺」においてMonge-Ampere方程式についてこれまでの研究のSurvey Lectureをした。 最近フランスでValopoulos等を中心にHormander系に付随した熱核の漸近挙動に関して活発な研究が進められている。本研究とも密接に関係するのでこの話題を中心に幾何、解析の専門家が集まり94年11月本学で研究会を開いた。また本研究と関係の深い数学者Gerard,Epstein,Huckleverry教授を京都に招き活発な討論をした。これらの交流は本研究の推進に益するところ大であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.MORIMOTO: "Avant-propos to Nilpotent Geometry and Analysis" 数理解析研究所講究録. 875. 1-10 (1994)
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[Publications] H.Ohtake: "On partially conformal qc deformations" 数理解析研究所講究録. 882. 73-76 (1994)
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[Publications] H.Xinzhong & H.Ohtake: "A note on the extremality of Teichmuller mappings" Preprint. (1994)
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[Publications] 佐竹伸夫: "経験主義者から見た第一言語習得と形式言語の帰納学習" 自然言語処理における学習シンポジウム論文集 電子情報通信学会・日本ソフトウェア科学会. 138-145 (1994)
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[Publications] 佐竹伸夫・菅幹生: "再びCL-言語" 京都教育大学紀要. 85B. 1-17 (1994)