1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640349
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有本 信雄 東京大学, 理学部, 助教授 (60242096)
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Keywords | 楕円銀河 / 球状星団 / 星生成 / 種族合成 / 渦状銀河 / 分子雲 |
Research Abstract |
楕円銀河の周囲に存在する球状星団の年齢と金属量の頻度分布を測光量から評価する種族合成モデルを世界に先駆けて開発した(Kodama & Arimoto 1995;準備中)。これを用いて乙女座銀河団とFornax銀河団中の楕円銀河の球状星団の色頻度分を解析し、これらの銀河の球状星団が我々の銀河系の球状星団とほぼ同じくらい古いことを示した。これは楕円銀河が渦状銀河の合体でできたとする仮説とは矛盾し、宇宙形成初期に重力収縮してできたとする銀河風説を強く支持する(Kodama,Okazaki & Arimoto 1995;準備中)。 楕円銀河の銀河モデルをもとに1500Å-3.5μにある波長帯のスペクトル・エネルギー分布(SED)の進化を計算し、高赤方偏移にある電波強度の強い楕円銀河のSEDがz【greater than or equal】2では銀河風発生前の星生成期のモデルと、そしてz【similar or equal】2までは銀河風発生後のモデルとよく一致することを見い出した。これは楕円銀河の起源としての銀河風説を強く支持する。また紫外域でのSEDはその起源が若い星ではなく、年齢の古い高温な水平分枝星であるとこを示唆する(Yoshii,Arimoto,Taniguchi,&Renzini 1995; Astr 楕円銀河には鉄組成の動径勾配が見られることに着目して、楕円銀河の鉄組成を再評価し、X線観測で得られた値が過少評価になっていることをつきとめた。このずれの原因は楕円銀河ガスのように比較的低温の天体の鉄組成を評価する際に使用される鉄のL輝線の原紙物理学的量の知見が不十分であるためである(Arimoto et al 1995; Astrophysical Journal誌に投稿予定)。 銀河進化における星生成の鍵となる水素分子雲の形成と分布を観測と理論の両面から調べ、銀河における分子雲の分布を定量的に再現することができた(Sofue et al 1995; Astron.& Astrophys.印刷中;Honma et al 1995; Astron.& Astrophys.投稿中; Arimoto et al 1995; Astrophys. J.投稿中)。
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Research Products
(1 results)