1994 Fiscal Year Annual Research Report
タムーダンコフ近似を用いた光円錐量子化法による束縛状態の研究
Project/Area Number |
06640365
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
阿部 修 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (30202659)
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Keywords | 相対論的束縛状態 / 量子色力学 / 光円錐量子化法 / タムーダンコフ |
Research Abstract |
ここ十数年の間、格子ゲージ理論に対して精力的にモンテカルロシミュレーションが行われてきたが、軽いクォークから成るメソンやハドロンに対する正確な情報はほとんど得られていないのが現状である。 本研究は、クォークやグルオンの運動を支配する量子色力学を光円錐座標の上で量子化し、これにタムーダンコフ近似を適用することにより、クォーク・グルオンの束縛状態であるメソンやハドロンを相対論的に取扱い、計算機を用いて束縛状態のエネルギー、波動関数、寿命及び崩壊幅を数値解析により定量的に評価することを目的として推進してきた。 時間1次元+空間3次元時空では自由度が多いために、模型を構成するのは難しい。このため、平成6年度では、自由度を減じるために、時間1次元+空間1次元の仮想的な時空で量子色力学の模型を構成した。この模型をもとに光円錐座標上で量子化を行い、タムーダンコフ近似を適用し、エネルギーの発散をどう処理すべきかを研究を行った。平成7年3月現在のところ、この模型で出現する束縛状態に対する定性的な結果が得られている。この研究成果は、共同研究者が国際学会で報告をおこない、プロシ-ディングスに掲載予定である。また、現在国際学会誌に公表予定で執筆中である。 定量的な評価を行うため、科学研究費補助金により購入したパーソナルコンピュータを用いてのプログラミングを現在進行中であり、来年度には研究成果をとりまとめ、公表可能であると考える。 今後の研究課題としては、1)束縛エネルギー等を定量的に求める。2)1+3次元時空で模型を構築し、束縛エネルギー等を定性・定量両面から解析する。ことが挙げられる。
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[Publications] O.Abe: "Gravitational-wave propagation in the five-dimensional Kaluza-Klein space-time." Nuovo Cimento. 109B. 659-673 (1994)
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[Publications] O.Abe: "Twe dimensional quantum chromodynamics in light cone" Proceedings of YAMADA Conference. (掲載予定). - (1995)
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[Publications] O.Abe: "Does gravitational wave propagate in the five dimensional space-time with Kaluza-Klein monopole." Nuovo Cimento. (掲載予定). - (1995)