1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640380
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北沢 良久 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10195258)
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Keywords | 量子重力理論 / 2+ε次元展開 / くり込み可能性の証明 / 2ループレベルの量子補正 / 共変な計算方法 |
Research Abstract |
本年度は、量子重力理論が2+ε次元展開によってくり込み可能であることの証明を構成することにおいて大きな成果を上げた。我々の2+ε次元における量子重力の定式化においては、体積を不変に保つ座標変換における不変性が明白に保持される。理論の一般座標変換の下での不変性は更に理論に要請されなければならない。理論に一般座標変換に対する不変性を要請することにより、有効作用に対してウォード・高橋恒等式が導かれた。これ等の恒等式は理論に存在する発散の構造を大きく制約する。私は実際に、体積を保つ座標変換の下で不変で更に2次元極限でコンフォーマル不変な発散の存在が一般に可能であることを示した。更に以上のタイプのみの発散が存在することを仮定して理論のくり込み可能性の証明を構成した。更に、2+ε次元の量子重力理論の2ループレベルの具体的な量子補正の計算においても大きな進展があった。量子重力理論の2ループレベルの発散項の計算は大きなプロジェクトである。我々は、共変な計算方法をこの問題に適用して、2ループレベルの発散項の計算にほぼ目途をつけた。具体的には、2ループレベルの物質場による発散項を一般的に決定することに成功した。重力場による寄与を含めた完全な2ループレベルの計算もほぼ完成に近づいた。以上まとめたように本年度は本研究の目的を達する上で、それを確実にしたものといえる大きな成果を上げた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Aida et al.: "Conformal invariance and renormalization group in quantum Gravity near two dimensions" Nucl. Phys. B. 427. 158-180 (1994)
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[Publications] T.Aida et al.: "Quantum gravity with boundaries near two dimensions" Modern PHys. Lett. A. 10. 1351-1363 (1995)
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[Publications] T.Aida et al.: "Two-loop renormalization in quantum gravity near two dimensions" Nucl. Phys. B. 444. 353-380 (1995)
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[Publications] Y.Kitazawa: "Quantum gravity is renormalizable near two dimensions" Nucl.Phys.B. 453. 477-488 (1995)