1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640387
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
九後 太一 京都大学, 理学部, 教授 (00115833)
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Keywords | 南部-Jona-Lasinio模型 / 高階微分運動項 / 量子化法 / gauge-Higgs-Yukawa系 / non-triviality / くりこみ群 / くりこみ可能性 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は次の二項である。 1.先の論文で、E_6大統一理論での対称性のダイナミカルな自発的破れを調べるべく、フェルミオンの強い相互作用として南部-Jona-Lasinio(NJL)型の4-fermi相互作用を持つモデルを議論した。しかしloop運動量を単に切断する従来のやり方では、理論のゲージ対称性が壊されてしまうので、今回、フェルミオンの運動項に高階微分項を用いて切断をintrinsicに導入する、NJL模型のゲージ不変な新しい定式化を与えた。その際、この高階微分項を含む系の量子化法、カレント演算子、アノマリー、の問題を議論するとともに、切断パラメーターが非常に大きい場合に有効な早い計算法を与えた。 2.スカラー場とフェルミオン場の湯川系がゲージ場と結合しているいわゆるgauge-Higgs-Yukawa(gHY)系に対し、どのような場合に切断が無限大の極限がとれて相互作用のある非自明な連続理論を与えるのか、すなわちnon-trivialになるのか、をくりこみ群を用いて解析した。その結果、理論のnon-trivialityのためには、1)ゲージ相互作用は漸近自由であり、なおかつその漸近自由性はあまり急激であってはならないこと、2)許される湯川結合定数の大きさには上限であること、3)スカラー場の4次の結合定数はもはや独立なパラメータではなく、湯川結合定数(およびゲージ結合定数)で決まってしまうこと、が明らかになった。また、その結果を用いて、ゲージ場の結合したNJL(gauged-NJL)模型が非自明な連続極限を持つこと、すなわちくりこみ可能になることを明らかにした。後者の結果自体はこれまでShwinger-Dyson方程式に基づく方法での証明があったが、今回の結果は、より信頼性の高いくりこみ群に基づく初めてのものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kugo: "Dynamical Symmetry Breaking in an E_6 GUT Model" Prog.Theor.Phys.91. 1217-1238 (1994)
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[Publications] T.Hamazaki: "Defining the Nambu-Tona-Lasinio Model by Higher Derivative Kinetic Term" Prog.Theor.Phys.92. 645-667 (1994)
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[Publications] M.Harada: "Non-triviality of Gauge-Higgs-Yukawa System and Renormalizability of Gauged Nambu-Jone-Lasinio Model" Prog. Theor.Phys.92. 1161-1184 (1994)