1994 Fiscal Year Annual Research Report
散乱実験のためのシンチレーティング・ファイバー検出器の開発研究
Project/Area Number |
06640425
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
家入 正治 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (50192472)
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Keywords | ハイペロン・核子散乱実験 / シンチレーティング・ファイバー / 画像データ / 自動軌跡認識 / 視認分類 |
Research Abstract |
本年度は、シンチレーティング・ファイバーの試作品について、位置分解能、及び、光量と減衰長などの基本性能の測定と、画像データの、実験補助者による視認分類作業を行なった。 断面積の小さいシンチレーティング・ファイバー(250〜500μmの角や丸の断面)の30種類以上の製品や試作品について、光子数と減衰長をベータ線源や宇宙線を用いて測定した。その結果、最小荷電損失粒子が通過したところから30cmの場所で、これまで実験等に使われてきた従来品のシンチレーティング・ファイバーに比べて、約1.5倍の光量が得られる物を開発し選定する事が出来た。 さらに、そのシンチレーティング・ファイバー(断面300μmの角のSCSF78)を、粒子の飛跡が読み取れるように束ねたブロック状の試作検出器を製作し、高エネルギー物理学研究所の陽子シンクロトロンのテストビームラインで最小荷電損失程度の運動量を持った粒子(0.6Gev/c程度のπ粒子)により、飛跡の位置分解能等の測定を行なった。ファイバーブロックにイメージ増幅管とCCDを組み合わせることにより画像としてのデータを取り込む。輝度の残差分布で、システムとしての性能の限界に近い287μmが得られた。今度、検出器システムとして各部の調整を進める。 また、試験的に取られた画像データの、実験補助者による視認分類作業も行なった。この作業はほぼ終了したので、来年度は、分類されたデータを活用することによって、計算機を用いたパターン認識(自動軌跡認識と粒子識別)の技術を、効率の評価等も含めて汎用的なものとして確立することを試み、ハイペロン-核子散乱実験への適用を計って行く。
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