1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640430
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡崎 誠 筑波大学, 物質工学系, 教授 (80010792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 光孝 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40192728)
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Keywords | ダイヤモンド成長 / 水素終端 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
ダイヤモンドの化学蒸着法(CVD)による成長には、水素原子が重要な働きをしているとされてきた。しかし実際にダイヤモンド合成に水素がどんな効果を果たしているのかくわしいことはまだわかっていない。 我々は、水素終端ダイヤモンド(100)表面に、炭素原子を吸着させたときの安定構造を第一原理計算の手法により調べた。すなわち吸着原子をダイマー中心上方から準静的に近づけながら構造を最適化し、表面構造とエネルギーを求めた。 その結果、吸着が起ると同時に、終端水素原子が表面から自発的に離れ吸着炭素上に移動することをみつけた。この過程は、表面を終端する水素原子を、エネルギーバリヤなしに炭素原子に置換することが可能なことを示しており、薄膜成長素過程につながる現象といえる。 この結果は、水素原子と吸着炭素原子が、基盤との結合を交換することを意味している。このような現象は、ダイヤモンド構造における炭素原子のsp^3結合状態が、グラファイトにおけるsp^2結合状態になろうとすることとして理解され、薄膜成長素過程を炭素の分子結合性によって説明できた。 以上の結果は、平成6年8月に第22回半導体物理学国際会議(カナダ、バンクーバー)で発表した。
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[Publications] M.Okazaki et al.: "Theoretical Study of Bond Exchange Mechanism during CVD Growth of Diamond" Advances in New Diamond Sci.and Tech.473-476 (1994)
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[Publications] M.Okazaki et al.: "Ab-initio Study of the Elementary Process of Epitaxial Diamond Growth" Proc.22nd Intern.Conf.on Phys.Semicon.(印刷中). (1994)
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[Publications] 藤田光孝、岡崎誠 他: "水素を仲介としたダイヤモンドの結晶成長素過程に関する第一原理的研究" 表面科学. 15. 33-36 (1994)
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[Publications] M.Fujita: "Polyhedra and Morphology of General Fullerene" Trans.Mat.Res.Soc.Jpn.14B. 1157-1160 (1994)
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[Publications] M.Fujita et al.: "Ab-initio Molecular Orbital Calculation for C_<70> and Seven Isomers of C_<80>" Phys.Rev.B. 49. 11415-11420 (1994)
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[Publications] M.Fujita et al.: "Stability of Boron and Nitrogen Substituted Buckminsterfullerene" Trans.Mat.Res.Soc.Jpn.14B. 1231-1234 (1994)
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[Publications] 岡崎 誠: "物質の量子力学" 岩波書店, 252 (1995)