1994 Fiscal Year Annual Research Report
パルス強磁場用高圧セルの開発と低次元伝導体への応用
Project/Area Number |
06640446
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
根岸 寛 広島大学, 理学部, 助手 (80164656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 実 広島大学, 理学部, 助教授 (10116593)
井上 正 広島大学, 理学部, 教授 (10020223)
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Keywords | 低次元伝導体 / 強磁場・高圧 / 非磁性圧力セル / 電荷密度波転移 / スピングラス / 電流磁気効果 |
Research Abstract |
本研究は,パルス強磁場を印加できる非磁性・非金属製圧力セルを試作し,最大磁場40T,圧力5kbarまでの強磁場・高圧下での電流磁気効果測定装置を開発する。これを用いて,遍歴電子磁性体の層間化合物M_xTiS_2や擬二次元モリブデン酸化物のMo_4O_<11>等の強磁場・高圧下における電流磁気効果等を広い温度範囲にわたり測定し,これらの物資系における多角的な電子物性を解明することを目的とする。本年度に以下のことを明らかにした。 1.ビデオカメラを用いた直視観察という新しい方法を開発し,化学気相法によるMo_4O_<11>結晶育成の成長機構を明らかにし,更に層間化合物の結晶育成にも応用しつつある。 2.現有のパルス磁場発生装置(最大20T)を用いて,層間化合物のうちFe_xTiS_2のスピングラス・クラスターグラス相の熱残留磁化及び等温残留磁化の緩和現象のダイナミックスを解明した。 3.現有のパルス強磁場発生装置の改良(40T)を行うため,励磁電源部は現有のコンデンサーバンクを用い,マグネット本体について,パルスコイル,コイルボビンの材質等の機械的強度,寸法,コイルの捲き線方法等を検討した。特に,コイルに働くマックスウェル応力に耐えるため,水の凍結を利用した支持方法を採用した。目下これらの製作及び性能試験を行っている(既に32Tは実現)。 4.5kbarまでの高圧実験用クランプ式圧力セルとして,非磁性の強化プラスチック等の材料の強度及び寸法の検討を行い,目下これらの製作に取り掛かっている。これらの完成をまって,強磁場・高圧での電流磁気効果等の本格的な物性測定を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Negishi: "In-situ Observations of Crystal Growth of n-Mo_4O_<11> Crystals by Chemical Vapor Transport Method" J.Crystal Growth. 144. 320-328 (1994)
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[Publications] Y.Hara: "Time Decay of Thermoremanent Magnetization in Cluster-Glass Phase of Intercalation Compound Fe_xTiS_2 Studied by Use of Anomalous Hall Effect" J.Magn.Magn.Matter.(印刷中). (1995)