1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640499
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 誠治 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (90134204)
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Keywords | アルコール / 液体ガラス転移 / ラマン散乱 / ブリルアン散乱 / α-緩和 / β-緩和 |
Research Abstract |
本研究では、急冷せずともガラスになる液体のなかで、α-緩和がVogel-Fulcher則にしたがい、かつ分子の最も小さいアルキル素の炭素数が3の低級アルコール(プロピレングリコール、グリセロール、プロパノール)について、複数の異なる測定法により広い周波数範囲で動的感受率の測定を行いその動的性質の温度依存性を調べた。 実験方法は低周波数領域の動的性質は、誘電分散測定、光熱法による熱容量スペクトロスコピーにより主としてα-緩和を調べ、高い周波数領域は、ファブリペロ-干渉計によるブリルアン散乱スペクトルとトリプルグレーティングスペクトロメーターによるラマン散乱スペクトルを接続することによりα-緩和、速い緩和、ボソンピークを調べた。これらの測定の結果、プロピレングリコールをはじめとした低級アルコールでの広帯域光散乱スペクトルから求めた動的感受率について、液体ガラス転移にともなう詳しい温度依存性を得た。広帯域のスペクトルの解析は、最初はモード結合理論により行ったが、定量的な一致は得られなかった。次に、(1)Davidson-Cole型のα-緩和、(2)Davidson-Cole型の速い緩和、および(3)Martin-Brenigモデルによるボソンピーク、の3つの項を考えて感受率を計算し、ほぼ実験結果を再現することができた。また、この結果から、速い緩和についてはその周波数はほとんど温度に依存しないが、その成分強度はVogel-Fulcher温度に向かって減少することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kojima: "Raman Scattering Study of Liquid-Glass Transition" Ferroelectrics. 168. 231-238 (1995)
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[Publications] S. Kojima and K. Takana: "Broadband light scattering of Glycerol" J. Mol. Struc.349. 227-230 (1995)
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[Publications] S.Kojima and K.Takan: "Relaxations of Fragile Liquid by Connection by Brillouin and" Jpn. J. Appl. Phys.34. 2552-2555 (1995)
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[Publications] M.Kodama and S.Kojima: "Velocity of Sound and Elastic Properties of Li_2O-B_2O_3 Glasses" Jpn. J. Appl. Phys.34. 2570-2574 (1995)
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[Publications] S. Kojima and M. Kodama: "Vibrational Spectroscopy of Cesium Borate Glass" Proc. XVII Int. Congress on Glass, Beijing, 1995. 2. 584-589 (1995)
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[Publications] M. Nagase and S. Kojima: "Brillouin Scattering Study of Glass Transition in n-propanol" Proc. XVII Int. Congress on Glass, Beijing, 1995. 5. 326-331 (1995)