1995 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質人口モデル膜の相転移にともなう動的構造変化の研究
Project/Area Number |
06640505
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武田 隆義 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70034593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 秀紀 広島大学, 総合科学部, 助手 (60216546)
好村 滋洋 広島大学, 総合科学部, 教授 (50034583)
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Keywords | リン脂質 / 膜 / 中性子スピンエコー / 小角散乱 / 相転移 / スローダイナミックス / 動的構造変化 / 生体膜 |
Research Abstract |
1.中性子スピンエコー分光器の整備を行った。特に、モノクロメータの改良と中性子2次元位置敏感検出器の整備を行った。モノクロメータは、東海村の原研で性能テストを重ねながらフランス、グルノ-ブルのラウエ・ランジュバン研究所、京大原子炉、ドイツ、ベルリンのハーン・マイトナー研究所との協力で作製し、昨年度より4.5倍の中性子強度が得られるようになった。中性子1次元位置敏感検出器での特性テストを繰り返して、1次元位置敏感検出器の集合体からなる2次元位置敏感検出器の整備を行った。 2.リン脂質DPPC-水系に金属イオンを加えた系での相転移に伴う構造変化を熱分析およびX線小角散乱法で調べ、リップル相の出現、転移点のイオン濃度依存等でのCa^<2+>イオンとMg^<2+>イオンでの異なる相転移の振る舞いはこれらの金属イオンと脂質膜との結合力の違いに起因することを明らかにした。 3.リン脂質DPPC-水系に金属イオンを加えた系での中性子スピンエコー法によるにおいて、散乱ベクトルQと時間tに依存する中間相関関数I(Q, t)を求めることが出来た。昨年度より数倍の強度で測定出来たが膜のダイナミックスの議論のためには、もう少し統計誤差の改善が必要である。中性子スピンエコー分光器の試料ゴニオメータに使用しているギヤ等の磁性体の磁化による磁場の乱れが無視できないことが分かった。ゴニオメータのさらなる非磁性化および試料台での磁場の抑制が必要であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T. Takeda: "Neutron spin-echo spectrometer at JRR-3M" Physica B. 213&214. 863-865 (1995)
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[Publications] T. Takeda: "Small-angle-scattering study of the structural phase transition in the dipalmitoylphosphatidylcholine(DPPC)-water-salt system" Physica B. 213&214. 763-765 (1995)
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[Publications] T. Takeda: "A neutron spin echo spectrometer with two optimal field shape coils for neutron spin precession" Nucl. Instr. and Meth. in Phys. Res. A. 364. 186-192 (1995)