1994 Fiscal Year Annual Research Report
単分散酸化チタンコロイド懸濁液の開発と光の局在現象
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06640522
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碇 寛 静岡大学, 教育学部, 助教授 (00135229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 誠 静岡大学, 理学部, 助手 (70197929)
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Keywords | 単分散コロイド懸濁液 / 光の局在現象 / 光バンド / 誘電体微細構造 / 双極子-双極子相互作用 |
Research Abstract |
輻射場と物質を相互に量子制御して強く結合させることにより、光の局在現象に関わる新しい量子現象を探索することを目指し、まず初めに単分散微粒子が容易に手に入れやすいポリスチレン懸濁液による実験を計画した。そこで色素を混入させた単分散ポリスチレンの懸濁液の蛍光寿命の測定を行なった。ポリスチレンの粒径は光の波長程度、色素はロ-ダミンである。その結果、ポリスチレン微粒子の粒子間隔及び粒径が共に放出光の波長程度の場合に、通常の指数関数的成分に加えごく速い寿命成分が観測され、この成分は指数関数的振る舞いはしていないことが分かった。この異常な成分は時間の平方根に依存し、色素間の双極子-双極子相互作用に由来する成分であることが示唆される。この現象は光の波長程度の粒径の誘電体微細構造の存在によって出現したものと考えられ、我々の目指す物質と輻射場の強く結合した状態を示している。すなわちこの速い成分は光の波長程度のポリスチレン微粒子の存在により通常では観測されない双極子-双極子相互作用がミ-共鳴散乱により増幅され観測されたと考えられる。この現象は分子間の共鳴エネルギー輸送によって解釈されるが、このことが光バンドモードの形成を意味することになる。このように我々は高屈折率の誘電体微細構造に囲まれた空間における色素発光に関わる新しい現象を見出だした。今後はより高屈折率である酸化チタン微粒子の微細構造中の色素発光の研究により、輻射場と物質との強く結合した系の研究を進めてゆきたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Tomita: "Enhance ment of molecular in teractions in Strongly scattering dielectrie comeposite optical meclia" physical Review. B50. 10369-10372 (1994)
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[Publications] H.Ikari: "An harmomic olecay of high frequlng phonons in vitreous silica" Jpm.J.Appl.Phys.33. 2859-2861 (1994)