1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640528
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辰野 正和 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70038553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
烏谷 隆 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30150527)
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Keywords | 密度成層流 / 振動運動 / 非線形効果 / 二次流れ / 三次元不安定 |
Research Abstract |
鉛直方向に直線的な密度勾配を持った静止流体中において、垂直に配置した円柱を円柱軸と直角方向に正弦的に振動させたときに、粘性流体の非線形効果によって、円柱まわりに誘起される二次的流れの三次元不安定現象の出現および水平面内での不安定現象に対する密度勾配の効果、及び流れの三次元的構造を実験的に調べた。 そのために、まず直線的な密度勾配を持った成層流を作るための塩を使った2槽式の密度成槽流作成装置を作った。作業流体の密度勾配を正確に測定するため水槽の側壁に縦方向に多数のコックをとりつけ、作業流体のサンプルを取り易くした。こうした装置によって作成した成層流の密度勾配は十分直線的であった。円柱の振動装置としてスコッチヨ-ク・システムを使い、流れの可視化のためにはレーザー可視化装置とレーザ光シャッター装置を使った。 実験の結果、密度勾配が強いほど、円柱振動によって誘起される流れの三次元不安定の出現が阻害されることが明らかになった。三次元不安定は、円柱軸に沿って周期的構造を持った流れとして現れる。さらに、この円柱軸に沿って層化された流れもまた不安定であって、まず水平面内で振動的な構造を持った流れが現れる。これを第1の不安定流れと呼ぶことにする。ところが、さらに無次元振動数を大きくしていくとある臨界値で、均一流体中での三次元不安定流れと同様に水平面内で直線的な構造を持った流れが現れることが明らかになった。これを第2の不安定流れと呼ぶことにする。この様に極めて複雑な流れが現れることが明らかになったが、こうした三次元不安定の現れる領域もほぼ特定された。
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