1994 Fiscal Year Annual Research Report
GPS/水準による中部日本南部のジオイド高と重力を用いた地下構造の研究
Project/Area Number |
06640543
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
里村 幹夫 静岡大学, 教養部, 教授 (50126778)
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Keywords | ジオイド / 重力 / GPS / 中部日本南部 / 地下構造 / 岩石密度 / アイソスタシ- / 赤石山脈 |
Research Abstract |
ジオイドの形、つまり地球の形を求めることは、測地学の基本であり従来の測地測量成果と、最新の宇宙技術を利用した測量データを結びつけるためにも、必要なものである。最近のGPS測量の技術の進歩により、従来は不可能であった楕円体高の測定と水準測量で求まっている標高を比較することにより、ジオイド高を精密に決定することが可能になってきた。 中部日本南部地域では、丹沢や伊豆を乗せたフィリピン海プレートがユーラシアプレートと衝突することより、富士山などの火山や赤石山脈などの構造山脈が形成されたと考えられている。この地域の地下構造の研究は、重力測量や地震波探査などによりなされてきた。今回は、それらにジオイド高のデータも加え、南部フォッサマグナを中心とした中部日本南部の地下構造の研究を行い、沈み込むフィリピン海プレートのスラブの形状や、富士山・赤石山脈のアイソスタシ-の根について研究する。 最初に、中部山岳地帯でGPS観測を実施し、ジオイド高の精密測定を実施したところ、静岡から赤石山脈に向かい、従来の重力データから求められているジオイド高とは1m程度の系統的なずれがみられることが分かった。また、重力データから、赤石山脈の地下は、地震波探査から期待される構造よりもモホ面が深い可能性を指摘した。 また、我々は、従来はGPS観測データを受信機製造会社から与えられたソフトウエアで解析していたが、今年度、防災科学技術研究所の協力を得て研究用ソフトGAMITを導入した。その導入とGPS衛星軌道の精密暦を用いることにより、GPS観測結果の精度が来よりも1桁近く向上し、今後のより精度の高い議論に耐え得る結果が得られるようになった。
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