1995 Fiscal Year Annual Research Report
完新世の地磁気永年変化から地磁気西方移動速度を見積る
Project/Area Number |
06640546
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域機能教育研究センター, 助教授 (60183919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸田 千鶴 日本大学, 文理学部, 助手 (80246800)
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Keywords | 地磁気永年変化 / 地磁気西方移動 |
Research Abstract |
中国の湖から採取した堆積物コアの古地磁気測定 昨年度の測定の結果、Lake Qionhaiの結果は目的としていた地磁気西方移動を示すデータが得られた。しかし、この湖の堆積物は有機炭素含有量が少な過ぎて放射性炭素同位体年代測定ができないことがわかり、古地磁気層序を使ってLake Erhaiのコアとの対比で年代測定をすることになった。そこで古地磁気と年代のデータを確実なものにするために1994年11月に雲南省のLake Erhaiへ再度行き、2本目のコアを採取した。平成7年度はこの2本目のコアの帯磁率、自然残留磁化の測定及び段階交流消磁実験を行った。平行して放射性炭素同位体年代測定も行った。 Lake Erhaiのコアからは、過去約1万年間の地磁気永年変化が得られた。約4000年前に予想される偏角の東振りピークは見つからなかった。これは、コアのねじれにより偏角にバイアスがかかったためと思われる。東振りピークは見つからなかったが、4000〜1700yBPの間地磁気ベクトルは時計回り運動が卓越していることが分かった。これは4200〜2500年前に西方移動性非双極子磁場が存在したという今までのモデルを強く示唆する。 世界の地磁気永年変化データの収集 昨年度の世界12地域に加えイスラエルのデータもデジタル化し、合計13地域のデータが集まった。全部のデータを比較すると質が大きく異なることがわかり、同じ扱いは危険であると判断した。そこでグローバル解析には数本のコアのデータで同じ記録が出され精度の高い、イギリス、北アメリカ、オーストラリアの3地域のデータを使った。周期解析、バンドパスフィルターを組み合わせた解析法で3地域共通に1100年、2400年周期変動が卓越し、運動は全体に時計回り回転が卓越ていることが分かった。これから推定される、地磁気西方移動速度は0.32、0.15°/yとなる。
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