1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640556
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪木 和久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90222140)
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Keywords | ポーラーロウ / 小低気圧 / メソ低気圧 / メソスケール / 数値モデル / CASP II / 寒冷渦 / コールドロウ |
Research Abstract |
日本海上に発生したポーラーロウについて、総観場の特徴、降水系のレーダーから見た特徴を調べた。また、日本海西部のものと北海道西岸のポーラーロウについて数値実験を行ない、その結果得られたデータを解析した。これにより日本海西部のものについては傾圧性の他、海面からの顕熱・潜熱による加熱が擾乱のエネルギー源になっていること、北海道西岸のものについてはこれだけでなく上空にある寒冷渦が下層のポーラーロウとカップリングしていることなどが明らかになった。 カナダ東岸のラブラドル海に発生するポーラーロウについても数値実験を行なった。この数値実験にはまず総観規模の低気圧をシミュレートすることが重要で、その擾乱のサブシステムとしてポーラーロウが発生することが明らかになった。数値実験でシミュレートされたポーラーロウは上空の寒冷渦の下にあり、北海道西岸のポーラーロウとよく似た特徴を持つものであることが明らかになった。 日本海上のポーラーロウの数値実験については、比較的良く現実を再現するものが得られた。これは日本付近のデータが豊富にあることが結果を良くしていると考えられる。これらから日本海上のポーラーロウについてはその構造が、かなり明らかにされてきた。一方で、カナダ東岸のものについては、数値実験によりポーラーロウに近い物は再現できたが、初期値を変えると発生しなかったり、現実のものほど強いものが再現されなかったりで、初期値・境界値の与え方に問題が残った。特に初期化において発散場が必要以上に弱められる点が問題と思われる。今後、非断熱加熱を初期値に取り入れるなどの改良を行なっていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)