1994 Fiscal Year Annual Research Report
定期フェリーを利用した黒潮上流域における大気・海洋相互作用の研究
Project/Area Number |
06640562
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小賀 百樹 琉球大学, 理学部, 助教授 (50153515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 宏 東北大学, 理学部, 教授 (40169769)
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Keywords | 黒潮上流域 / 大気海洋相互作用 / 海面熱フラックス / 定期フェリー |
Research Abstract |
本年度の研究成果・実績は下記のとおりである. 1.沖縄-台湾間の定期フェリーを利用した研究海域における海面水温・海上気象要素の観測(1990年10月より開始)を継続・維持した.計測システムの維持改善のため,(1)風速計センサの補修を行った.(2)船位の正確な把握のため,新たにGPS計測・記録装置を設置した. 2.当初予定の集中測定は,スケジュールの関係で実施できなかった.しかしながら,海上保安庁第11管区が実施した冬期の集中観測(ADCP測流,XBT水温分布)の資料が利用可能であったので,我々のフェリー観測資料及び衛星資料と組み合わせ研究海域(特に,台湾-石垣島間の黒潮が東シナ海に流入するところ)の大気海洋相互作用の基本条件を与える海況変動を詳しく調べることができた.解析の結果,黒潮流入水と台湾北東の沿岸冷水との相互貫入過程について新たな知見が得られた. 3.海面熱フラックスについて,大気海洋相互作用が活発な冬期について解析を進めた.フェリー観測の海面水温・海上気象要素をもとに,黒潮を横断するフェリー航路に沿った詳細な潜熱・顕熱フラックス分布を求めることができた.相互作用の結果,海上大気はある程度の変質が認められるものの,暖水域ないし黒潮上では潜熱・顕熱フラックスは,それぞれ210W/m^2,52W/m^2となる.これは,冷水域の場合に比べ2〜3倍大きい.
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Research Products
(1 results)