1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06640566
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 彰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20126171)
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Keywords | 電磁流体不安定 / 磁気圏界面 / 沿磁力線電流 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 渦 / 加速 / 非線型 |
Research Abstract |
磁場が流れと垂直な場合について、シミュレーションの系の長さを線形で最も不安定なモードの波長の4倍にとって2次元のケルビン-ヘルムホルツ(K-H)不安定のMHDシミュレーションを行なった。このシミュレーションにより不安定によって生じた渦は2回の合体をくりかえし大きな渦になり、不安定による異常粘性の値は線形で最も不安定なモードによって生ずる異常粘性の値の30倍近くにまで達することが明らかとなった。異常粘性の為にK-H不安定を起こす初期の速度勾配は大きく緩和され、マグネトシースから磁気圏内にK-H不安定によって大きな反太陽方向の流れの運動量が輸送されることが明らかとなった。シミュレーションでは時間発展を追っているが、その結果を空間発展に焼き直すとこのシミュレーション結果はK-H不安定によって非常に大きな粘性ストレスが磁気圏尾部の磁気圏界面上に加わることを意味し、尾部の磁気圏内のプラズマの対流を起こすのにK-H不安定が重要な役割を果たす事を意味する。またK-H不安定によって生ずる渦の中ではプラズマが希薄化され、プラズマの圧力と磁場の圧力は下がり、プラズマの密度も下がることが明らかになった。2回の渦の合体の後では、渦の中でプラズマの圧力は初期の圧力の半分以下になることがわかった。渦の周辺部では、渦に伴う流れの擾乱が元々の流れに加わることによって、流れが加速されることも明らかになった。2回の合体の後では、流れの速度は元々の流れの速度の1.4倍にまで達することが明らかとなった。また磁気圏が電離層に繋がった3次元の系では、プラズマの流れをひき起こす水平電場によって生ずる水平の磁場の安定化作用によって、K-H不安定は電離層の電気伝導度があるしきい値以下でないと発生しないことが明らかとなった。このことは磁気圏界面上のK-H不安定を考える場合にも電離層との電磁気的結合の3次元結合効果が重要な役割を果たすことを意味する。
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Research Products
(1 results)