1994 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島周辺における海底活断層の記載-海底地震地質学基礎研究-
Project/Area Number |
06640577
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 章 富山大学, 理学部, 助教授 (20126494)
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Keywords | プレート境界 / 活断層 / 潜水調査船 / 地震地質学 / テクトニクス / 海溝 / バクテリアマット / 日本列島 |
Research Abstract |
今年度は、東北日本海の海底で撮影されたスチール写真を対象として海底活断層の記載に関連する主な画像を光磁気ディスクにデータベース化した。北海道南西沖地震の津波波源域南部では,大小の地割れ,噴砂痕,半固結堆積層の浮上移動現象など,地震時に発現したことが明らかな海底変状の資料画像集を作成した。これを参考に54年前の積丹沖地震震源域の海底映像を見なおしたところ,地震断層とみられる断層露頭,海底地盤の液状化による斜面崩壊などが新たに識別された。太平洋側三陸沖の海底断層破砕帯露頭の画像では,地層境界に平行なすべり,断層角礫の回転,断層粘土の流動などが見つかった。さらに,海溝系とは好対照をなす海嶺系活断層との比較を行うため,大西洋中央海嶺での潜航調査を実施し,リフト系・トランスフォーム系の活断層群を観察し鮮明な映像記録を得た。深海底でのトランスフォーム系活断層露頭の観察記載は世界初である。また兵庫県南部地震の発生を受けて,地震直後の地震断層調査を実施し,海底活断層との比較を行った。 結局,地震断層は,海陸を問わずまたプレート境界か否かに拘らず,逆断層か横ずれ断層かなど各断層型に固有の特徴が明瞭であること,一方,同じ断層型では本質的な相違は認められないことが判明した。海溝系活断層の指標・証拠として,バクテリアマットと深海冷湧水系生物群集,新鮮な転石帯・変色帯・地割れ・地すべり,新しい堆積面を切断する低断層崖,スリップベクトルを示す断層条線などが挙げられる。 海底映像処理法については,撮影光量の不足と海水による暖色吸収のため情報量が減少する問題がある。これを補完するディジタル画像処理を試みた。効果はあるが色調表現に任意性が大きいため,疑似カラーよりグレイスケールでの出力が望ましいことが分かった。
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Research Products
(1 results)